砂の缶詰め

ジャリジャリジャリジャリおえっ

実家で犬を飼っている

ふわふわの白い、くさい犬で、年を取ってから口もくさくなった

でもかわいい犬

元野良だからリードをはなすとどっかに逃げてしまうので、好きに走らせることはできなかった

元気なうちにどこか広くて柵のある場所で走らせてあげたいねと言ってるうちによぼよぼになって、散歩で少しも走らなくなってしまった

腎臓を患ってそろそろ死にそうらしい

昔ペンションに泊まってベッドで寝たことがある

ふわふわの体がすごく近くて、うれしかった

洗い立てだったからシャンプーのにおいがした

犬死んじゃうのか。かなしいなと思う

 

いいもの

学んでいる学問の都合上、丁寧に物を作ることについてよくよく考える機会がある

人の表現や感情の方面ってどうしても言葉にできないものがたくさんある、と勉強をすればするほど感じる

やり方の話をするのは簡単だ

体や道具の動かしかたの手順を言葉にするだけだから

でも人の手業でできるいいものってそれだけでは作れない

漠然とした安い言葉になってしまうけど「熱意のこもった」「丁寧な」という言葉を当てはめるしかないような、細やかな意識がいいものには存在していると感じる

そしてその丁寧とか熱意というのはただ長い時間をかけてるとか猪突猛進の情熱ではない

うまくいえないけど冷静だったり、適格だったりする必要がある

そして作られるいいものの種類は違えど、込められた丁寧の中にある肝心な言葉にしがたい意識には、共通する要素があると思う

いいものを作ってる人たちにその意識や感覚を言葉にしてもらったとしても、ひとりひとりで違った表現になると思うし意味のバランスが微妙すぎてたぶん他人には理解できない

いいものを作るにはやはりそれを自分で意識していくしかなく、ひたむきに、しかし冷静に物事に取り組むしか方法がないと思ってる

なんのこっちゃ

自分が物を作るときこういうことを意識したいと思った

におい

自分はにおいを嗅ぐのが好きで、生活の中で様々においを嗅いで騒いでいる(萌えと似ている)

人が寝起きした布団は干したての布団とちがってあったかくてなまぐさいにおいがする

それが好きで、起きたあと余裕がある日は自分のタオルケットに顔を押し付けて深呼吸する

他人のベッドとかは自分からしないにおいがして、本当に素晴らしくて最高

できれば家に他人のベッドをストックしておいてつかれたとき嗅ぎたい

季節ごとに感じられる空気のにおいもよくて、冬の夜から明け方のにおいが一番好き

いいにおいの日は深呼吸しながらだらだらあるきたくなる

地元から出て他の場所にすんでから、土地ごとにもにおいが違うことがわかった

ここのにおいは地元に比べてかなり甘い

雨が降る町だから、常に苔か何かのような生臭くて湿ったにおいがする

実家はしょっぱくて冷たいにおいがする

冬、朝実家で犬の散歩をしながら空気を吸い込むと、寒くて麻痺した鼻でもわかるつよい冬のにおいを感じる

その時ものすごく呆然とした気分になって気持ちいい